2010年 3月 9日 (火) 今日の更新分

979

黄の鉄塔四肢
もみくちやに
して咳す

100309

黄の鉄塔四肢もみくちやにして咳す   『金子兜太句集』

 この句もなかなか難しい。「四肢もみくちやにして咳す」という実感のある表現が「黄の鉄塔」と私の中でうまく結びつかない。
 ところで鉄塔ではないかもしれないが、黄色い塔といえばルオーの塔のある絵が思い浮かぶ。とても好きな絵である。ルオーの描いた塔のある絵はたくさんあるが、特のこの黄色い色調の絵が好きである。いろいろな余分なものが削ぎ落とされて感情が極まってきているというような表現を使ったらいいのだろうか。また、ゴッホの最晩年の麦畑のカラスの絵などの黄色も、何かが極まってきているという感じがある。黄色はまた、光りの強さが極まって、白くなってしまう直前の太陽の色でもある。黄色は何かが極まっていく時の色である、などと断定はしないが、そういう側面もあるかもしれない。そのような眼で改めてこの句を読むと、四肢をもみくちゃにして咳をするほどの極まりの時に、黄色の鉄塔がそこに在るというのは関連性があるかもしれない。

塔のある風景(ルオー)


1〜10 11〜20 21〜30 31〜40 41〜50
51〜60 61〜70 71〜80 81〜90 91〜100
101〜110 111〜120 121〜130 131〜140 141〜150
151〜160 161〜170 171〜180 181〜190 191〜200
201〜210 211〜220 221〜230 231〜240 241〜250
251〜260 261〜270 271〜280 281〜290 291〜300
301〜310 311〜320 321〜330 331〜340 341〜350
351〜360 361〜370 371〜380 381〜390 391〜400
401〜410 411〜420 421〜430 431〜440 441〜450
451〜460 461〜470 471〜480 481〜490 491〜500
501〜510 511〜520 521〜530 531〜540 541〜550
551〜560 561〜570 571〜580 581〜590 591〜600
601〜610 611〜620 621〜630 631〜640 641〜650
651〜660 661〜670 671〜680 681〜690 691〜700
701〜710 711〜720 721〜730 731〜740 741〜750
751〜760 761〜770 771〜780 781〜790 791〜800
801〜810 811〜820 821〜830 831〜840 841〜850
851〜860 861〜870 871〜880 881〜890 891〜900
901〜910 911〜920 921〜930 931〜940 941〜950
951〜960 961〜970 971〜980

進行中

目次 索引覚え書き のあいうえお順




俳諧寺