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黄の鉄塔四肢
もみくちやに
して咳す
100309
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黄の鉄塔四肢もみくちやにして咳す 『金子兜太句集』
この句もなかなか難しい。「四肢もみくちやにして咳す」という実感のある表現が「黄の鉄塔」と私の中でうまく結びつかない。
ところで鉄塔ではないかもしれないが、黄色い塔といえばルオーの塔のある絵が思い浮かぶ。とても好きな絵である。ルオーの描いた塔のある絵はたくさんあるが、特のこの黄色い色調の絵が好きである。いろいろな余分なものが削ぎ落とされて感情が極まってきているというような表現を使ったらいいのだろうか。また、ゴッホの最晩年の麦畑のカラスの絵などの黄色も、何かが極まってきているという感じがある。黄色はまた、光りの強さが極まって、白くなってしまう直前の太陽の色でもある。黄色は何かが極まっていく時の色である、などと断定はしないが、そういう側面もあるかもしれない。そのような眼で改めてこの句を読むと、四肢をもみくちゃにして咳をするほどの極まりの時に、黄色の鉄塔がそこに在るというのは関連性があるかもしれない。
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塔のある風景(ルオー)
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